小児がんの子どもたちと日々向き合う看護師さんにとって、知識や技術のアップデートは欠かせません。
また、自分のキャリアアップにも論文執筆や学会発表は欠かせないです。
そんな中でおすすめしたいのが、学術集会への参加です。
現場で活かせる最新情報を学べるだけでなく、同じ志を持つ看護師との出会いや情報交換の場にもなります。
今回は、2025年に開催される注目の小児がん関連学会をいくつかご紹介します。
これから参加を考えている方、スキルアップを目指したい方はぜひ参考にしてみてください。
学会に参加するメリット
まずは学会に参加するメリットを紹介します。
現場で役立つ最新の知識・技術を学べる
小児がん看護の分野では、治療法やケアの在り方が年々アップデートされています。
学会では、最新の医療動向や看護実践の報告、エビデンスに基づいたケア方法などが紹介されるため、日々のケアにすぐに活かせる学びが得られます。
とくに症例ベースの発表は、実際の現場で起こり得るケースを深く理解するうえで非常に参考になります。
悩みや疑問を共有できる
同じ小児がん領域で働く看護師同士だからこそ共感できる悩みや課題があります。
学会では、発表や質疑応答だけでなく、休憩時間や交流会などで気軽に情報交換ができることも魅力のひとつ。
他の病院の看護を知り、自分が働いている病棟での看護と比較することで小児がん看護の視野が広がります。

他の病院で行っているケアを参考にして自分の病棟でのケアを見直すことで、より良い看護を提供できるようになります。
多職種連携やチーム医療の視点が広がる
学会には、医師・薬剤師・心理士・ソーシャルワーカーなど、他職種の医療従事者も参加します。
講演やシンポジウムを通して、他の職種の視点や取り組みを知ることで、よりよいチーム医療の実現につながります。
院内の連携を深めるヒントにもなるはずです。
キャリアアップ・資格取得にもつながる
学会参加は看護実践能力の向上だけでなく、専門看護師や認定看護師などのキャリアステップを目指す上でも有利です。
学会での発表経験は業績としても評価されるため、今後のキャリアを考えている方にとっては、積極的に参加する価値があります。

院内で主任や副師長、師長と出世するためにも論文発表の経験が必要でなところが多いです。
モチベーションが高まる
日常業務に追われる中で、初心を思い出したり、新たな刺激を受けたりすることは大切です。
学会に参加することで、「もっとこうしたい」「自分も何か発表してみたい」といった前向きな気持ちが芽生えることも多く、看護師としてのモチベーション維持・向上につながります。
おすすめの学会紹介
日本小児がん看護学会
開催時期
毎年11~12月頃(2025年は11月19~21日)
場所
全国各地で開催(2025年は福岡国際会議場にて開催)
主な内容
- 小児がん患者への支援事例
- 家族支援・心理的ケアの実践
- AYA世代の看護
など
特徴
- 小児がんに携わっている看護師が参加するといえばこの学会です。この学会の学術集会に参加すれば、先ほどあげた参加のメリットを網羅できます。
- 日本小児がん看護学術集会は毎年『日本小児血液・がん学会学術集会』と合同で行われます。そのため、医師向けではありますが最新の治療や薬剤についての講演も聞くことができます。

まさに一石二鳥ですね!
参加方法・情報の確認先
最新の開催情報や参加申し込みは日本小児がん看護学会をチェックしてください。
日本小児看護学会
開催時期
毎年7月頃開催(2025年は7月5~6日)
場所
全国各地で開催(2025年は仙台市)
主な内容
- 子どもの成長発達と看護
- 慢性疾患や重症児・医療的ケア児への支援
- 家族支援、意思決定支援
- 小児看護の倫理・権利擁護
- 地域・在宅での小児ケア
- 災害・緊急時の小児看護
特徴
- 小児看護に特化した最も大きな国内学会のひとつで小児がん看護に関する演題もあり
- 看護現場の実践報告も多く、臨床のヒントが豊富
- 他施設の取り組みや課題を知ることで視野が広がる
- 学会誌『小児看護学研究』を通じた情報共有も可能
- 学会発表でキャリアアップや学術的実績に繋がる

小児がん以外の疾患の患者が入院してくることも多いので小児がん以外のことも知っておくのもキャリアアップに繋がります。
参加方法・情報の確認先
最新の開催情報や参加申し込みは、日本小児看護学会 公式サイト をチェックしてください。
早期申込割引やオンデマンド配信の有無なども、時期によって異なりますので事前確認がおすすめです。
まとめ
小児がん看護に関わる毎日は、やりがいがある反面、戸惑いや不安を感じる場面も少なくありませんよね。
そんなとき、学会という場で、同じような立場の看護師さんたちと出会い、学び合えることは、大きな励みになります。
最新の知識や他施設の取り組みを知ることは、きっと日々のケアに新しい視点や安心感をもたらしてくれるはずです。
「少し気になるな」
「行ってみたいな」
と感じたら、それだけでも十分な第一歩です。
無理のない範囲で、自分のペースで。
あなたの学びが、子どもたちやご家族にとって、もっとあたたかい看護につながりますように。
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