【小児がん看護に携わる人必見】レベル別オススメの参考書籍

看護師知識

小児がんに関する参考書はちらほら見かけますが医師向けの物が非常に多く、小児がん看護の参考書ってどれを買えばいいのか分からない!なんて人が多いのではないでしょうか。


今回は小児がん看護を始めて経験する人から中堅看護師さんまで、それぞれのレベルに合った参考書を紹介していきます。


この記事では

  • 小児がん初心者向けの基礎を学べる書籍は『小児がん看護テキストブック』『小児がん治療のオキテ』『こどものがんと治療』がおすすめ
  • 『こどものがんと治療』はイラストや図解が多く、特に活字が苦手な人向け
  • 小児がん看護に慣れてきたら疾患や病態について学びを深める『病気がみえる vol.5 血液』、治療後や長期フォローアップについて知る『小児がん治療後の長期フォローアップガイド』『小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関するガイドライン』、治療について学びを深める『小児がん支持療法マニュアル』、抗がん剤について学びを深める『がん治療薬まるわかりBOOK』がおすすめ

ということを紹介しています。

この記事を読め自分のレベルに応じた参考書を選ぶことができ、小児がん看護についての学びを深めることができます。

小児がん看護初めての方向け

小児がん看護を初めて行う方向けの基礎から学べる参考書を紹介します。

小児がん看護テキストブック

小児がん看護だけを扱っている参考書は非常に少ない上に何年も前に出版されているものが多いですが、この『小児がん看護テキストブック』は出版が2023年4月で比較的新しく日本小児がん看護学会公認のテキストなので最初に持っていてほしい一冊です。


本書は小児がんの基礎知識から治療・看護ケア・家族支援に至るまで現場で即役立つ情報が網羅された実践的なテキストです。

小児からではの成長・発達段階に応じた支援方法や、子どもとその家族に寄り添うための視点も丁寧に解説されています。


小児がんに携わる看護師さんには必ず手に取っていただきたい一冊です。

病棟勤務の看護師の方はもちろん

  • 小児がん看護に関心がある看護師さん
  • 小児がん患者と関わっている医師、OT・PTなどのリハビリ科のスタッフの方、院内保育士の方
  • 小児がん病棟に実習予定の看護学生さん

などにも心からオススメします!

小児がん治療のオキテ

小児がん看護に携わるなかで

この判断で本当に大丈夫?
治療の全体像をもっと理解したい

そんなふうに感じたことはありませんか?

本書は小児がん医療の第一線に立つ医師たちが日々の臨床で大切にしている「判断の軸」や「現場の原則(オキテ)」を明確に示してくれており、小児がんの治療に特化した参考書です。


本書を読めば、療法、支持療法、感染対策、緩和ケアまで小児がん治療の全体像を理解したうえで看護師として”なぜこの対応が必要なのか”を納得して動ける力が身につきます。

単なるマニュアルではなく、”考える医療者”になるための視点が詰まった実用書であり

  • 小児がん病棟に配属されたばかりの看護師さん
  • すでに現場で活躍している看護師さんで小児がん看護を深めたい方
  • 医師の判断を理解し、先読みして動きたい方
  • 小児がん治療の考え方を体系的に整理したい人

そんな方に自信を持っておすすめできる一冊です。

こどものがんと治療

「小児がんって、成人のがんとどう違うの?」
「どうしてこの治療が必要なのか家族にうまく伝えられない」

そんな時に”小児がんの全体像”をしっかり理解できる一冊が本書です。


この本は疾患や治療法、晩期合併症まで専門的な内容を平易な言葉で丁寧に解説してくれています。上記で紹介した「がん看護テキストブック」や「小児がん治療のオキテ」に比べイラストや図解が多く読みやすいのが特徴で

  • 活字が苦手
  • 「がん看護テキストブック」や「小児がん治療のオキテ」を買ってみたけど少し難しい

といった方に特におすすめです。


この一冊をマスターすれば

  • 医師の説明内容がより深く理解できる
  • 家族の不安や疑問に共感しながら対応できる
  • 子どもに疾患や治療についてわかりやすく説明できる
  • 患者や家族に向けた分かりやすいパンフレットの作成ができる

といった力が自然と身につきます。

小児がん看護2年以上経験者向け

小児がん看護に慣れてきた人は疾患や治療に関してさらに学びを深めたり、患者さんの治療後を支える長期フォローアップに関する知識を得たりできる参考書がおすすめです。

病気がみえる vol.5 血液

小児がん看護において白血病やリンパ腫などの血液がんの理解は不可欠です。

でも「血液の仕組みってややこしい」「病態の流れが頭に入りずらい」そんなふうに感じていませんか?


そんな時に役立つのがビジュアルで”流れ”と”しくみ”を理解できる『病気がみえる vol.5 血液』です。


この本の特長は、何といっても「とにかくわかりやすい」こと。

このシリーズを教科書として採用している学校もあります

難解になりがちな血液の仕組みや疾患の特徴が、豊富な図解とビジュアルで整理されていて、知識が自然と頭に入ってきます。

例えば白血病の分類や治療方針、抗がん剤の影響による血球減少のメカニズムなど、小児がん看護で必要な内容も網羅されており、まるで「辞書のように使える」一冊です。


学生~若手看護師向けの印象があるかもしれませんが、実は経験を積んだ看護師が“改めて学び直す”のに最適です。

ただ、あくまで病態や疾患についての本なので看護に関する本を別で持っておくことをオススメします。

小児がん治療後の長期フォローアップガイド

小児がん病棟である程度経験を積んでいくと、外来にて長期フォローアップを行う看護師さんも多いのではないでしょうか?


そんなときにおすすめしたいのが『小児がん治療後の長期フォローアップガイド』です。


今まで紹介してきた書籍の中でも長期フォローアップに関して記載されているものもありますが、本書は晩期合併症の知識はもちろん、教育・就労・心のケアなど多方面にわたる治療後の支援のヒントが詰まっており、退院後の支援に関わる方はぜひ読んでほしい一冊です。



小児がんの治療は近年大きく進歩し、多くの子どもたちが「がんを乗り越えた後の人生」を歩んでいます。

だからこそ、私たち看護師が知っておくべきなのは「治療後のケア」。

本書は、小児がん経験者の成長後の健康課題や生活上の配慮を、わかりやすく網羅しており

  • がん治療中だけでなく「退院後の生活」や「成長後の課題」にも関心がある方
  • 家族支援や将来の生活まで見据えた看護を実践したい方
  • 小児がん経験者の退院指導・サバイバー支援に携わることが多い方
  • 成人期の小児がん経験者と関わることがある(心疾患、内分泌、がん再発など)
  • がん看護の中でも「小児・AYA世代」に興味がある看護師や看護学生


といった方におすすめです。

小児がんの「その後」を支える看護の第一歩として、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関するガイドライン

『小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関するガイドライン(第2版)』は、がん患者の妊孕性に関する最新の知見や対応方針をまとめた、日本初の包括的な指針です。

がん治療が生殖機能に与える影響を正しく理解し、適切なタイミングで選択肢を提示するために、医療者間の連携が求められる今、看護師にも知っておいてほしい内容が満載です。

このガイドラインには、妊孕性温存の対象となる治療法・年齢、保存方法(精子・卵子・卵巣組織など)の種類と実施可能性、患者や家族への説明のポイント、意思決定支援の考え方などが整理されています。 


また、小児・AYA世代特有の課題――たとえば本人の意思表明の困難さ、親子間の価値観の違い、倫理的配慮などについても丁寧に取り上げられています。

  • 妊孕性温存について興味がある
  • AYA世代の看護を行っており、妊孕性という観点の看護を行いたい
  • 外来で小児がんの長期フォローアップを行っている

といった方におすすめする一冊です。

小児がん支持療法マニュアル

小児がんの治療において、化学療法や放射線治療といった「がんそのものを治す医療」と同じくらい大切なのが、「支持療法」です。


『小児がん支持療法マニュアル』は、医師向けの書籍ですが、嘔気・嘔吐、口内炎、血球減少、発熱、感染、栄養管理、心理的サポートまで、小児特有の症状や対応を丁寧に解説しており、日々の看護にすぐに活かせる構成となっています。




副作用の軽減、感染症の予防、痛みや不安の緩和について医師主導の治療計画記載されているので

  • 小児がんの治療についてさらに学びを深めたい
  • 医師の指示のねらいを理解したうえで看護を行いたい

といった方におすすめします。

さらに学びを深めたい人向け

がん治療薬まるわかりBOOK

抗がん薬の名前、種類、副作用、作用機序――がん看護に関わる中で避けて通れない知識だけれど、どこか“とっつきにくい”“覚えづらい”と感じたことはありませんか?

特に小児がん看護では、同じ薬でも投与量や副作用の出方が大人と異なり、その理解がより難しく感じられることもあります。

『がん治療薬まるわかりBOOK』(ナツメ社)は、そんな悩みを持つ看護師のために作られた、「やさしく・見やすく・使いやすい」抗がん薬の入門書です。

薬の分類ごとに、作用機序・代表薬・主な副作用・注意点がイラスト入りで解説されており、難しい薬理の話がスッと頭に入る構成になっています。


「この薬の投与中、どんな副作用を観察すればよいか」「患者さんにどう説明するか」といった実践的な内容が載っていて、そのまま現場に持って行ける知識が満載です

小児がん看護に特化した本ではありませんが、基礎から体系的にがん薬物療法を理解したい小児がん看護師にも大変有用です。

「小児がん治療薬の背景をしっかり学びたい」 「抗がん薬の副作用にもっと自信を持って対応したい」 そんな看護師さんにこそ、一度手に取ってみてほしい一冊です。

まとめ

小児がん看護師向けのおすすめの参考書を紹介してきました。

小児がん看護は、知識だけでなく、子どもと家族に寄り添う心が求められる分野です。


だからこそ、私たち看護師が「学び続ける姿勢」そのものが、大切なケアにつながっていきます。


気になった本があれば、ぜひ一度手に取ってみてください。


一冊の本が、明日のケアを変えるヒントになるかもしれません。

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